今回は、先日お伝えしました昔からの健康食「納豆」と今頃の健康食「ヨーグルト」に出てきました「ナットウキナーゼ」について書きたいと思います。
「ナットウキナーゼ」は、血栓を予防するはたらきがあるとされ、その効果が期待されています。年齢を重ねると心配になる血液と血管の健康を保つ、そのナットウキナーゼのちからについて解説いたします。
すごいぞ納豆菌 納豆キナーゼ
血液がサラサラに!納豆キナーゼって何?

発酵食品である納豆は発酵の過程で納豆キナーゼ(ナットウキナーゼ)という酵素を生み出します。
この酵素は、納豆のネバネバ成分中に多く含まれていて、血液サラサラなど成人病予防に大きく役立つものです。
納豆キナーゼはオメガ3不飽和脂肪酸同様、高い血液サラサラ効果があります。
納豆キナーゼが余分な血栓を溶解する・高血圧の予防と改善・コレステロール値の低下など、成人病と密接な関わりのある血液の健康状態にどのように関係するかを考えてみます。
またあわせて日々の食生活の中で、どのように摂取すれば良いかをお伝えします。
納豆キナーゼが血栓を予防する。
心筋梗塞や脳梗塞は、血管が血栓によって詰まってしまうことで起こる病気です。
血栓はそれ自体、欠陥を修復するという大切な役割がありますが、血液がドロドロになるとスムーズに溶けなくなって蓄積されるため、血栓症を起こさせてしまいます。
平成21年の厚生労働省による人口動態統計によれば、日本人の死因の30パーセントは血栓による血管疾患によるものと報告されています。
ところで納豆キナーゼには、血液中の血栓を直接的に溶かす働きと、血栓を溶かすウロキナーゼという酵素を活性に働かせて間接的に働きかけるという、
二つの役割があります。
ウロキナーゼは消化管の表面にあり、外的刺激を受けると活性化します。
納豆キナーゼはこのウロキナーゼに働きかけて、血栓を溶かす酵素を造り出します。

とはいえ血液には、止血作用も必要です。
つまり止血能が働いて血液を凝固させる働きです。
健康のために血液サラサラな状態が良いというのは常識化しつつありますが、ウロキナーゼという溶解系の機能がそなわっているのと同時に、
納豆にはビタミンKという凝固系の働きによってバランスが取れているのです。
これは、車を走らせるためにはアクセルと同時にブレーキも必要であるということなのです。
納豆キナーゼが高血圧を予防する。

納豆キナーゼに血栓を溶解する機能があることがわかれば、これが高血圧を予防する効果を併せ持つことも理解できるはずです。
心臓が血液を全身に送り出す時には、動脈に圧力がかかります。
これが血圧です。
高血圧の状態が長く続くと、さまざまな健康上の弊害が起ってきます。
初期的には頭痛・めまい・動悸・息切れ・耳鳴り・手足の痺れなどが自覚され、
中長期的には高血圧によって血管に圧力がかかり続けることで血管自体がもろくなってしまい、動脈硬化などを引き起こします。
さらには血管が破れやすくなって、脳出血などを起こすリスクが高まります。
高血圧症には二種類あって、原因がはっきりしないもの、腎臓病などによって二次的に高血圧が起こるもの、に区別されます。
一般に高血圧の患者は前者であり、遺伝・肥満・加齢・塩分過多・ストレス・喫煙・運動不足などが原因となっていると考えられています。
しかしこのようなマイナス因子が多少あったとしても、血栓を溶解させるという働きを持つ納豆キナーゼを日常的に摂取していれば、
高血圧を予防する可能性を期待することができます。
納豆キナーゼが、様々な成人病の対策として期待できます。
納豆キナーゼがコレステロール値を下げる。
納豆キナーゼには、血液中のコレステロール値を改善する効果を持つことがわかっています。
コレステロールとは細胞を作り上げる上で重要な働きを持つ脂質のひとつですが、過剰に摂取すると脂質異常症・動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞などの
病気を引き起こす原因となります。
また消費エネルギーの60~70パーセントを占める基礎代謝は、加齢とともに筋力が衰えることによって低下してしまいますので、コレステロールを増加させやすい状態となります。
これに対し納豆キナーゼには、脂質異常症を引き起こすコレステロールの増加を予防する効果があります。
それを確かめたのが次の実験です。
高脂血症患者46名に対し、6か月にわたって納豆キナーゼを毎日200ミリグラムを摂取させたところ、
血中総コレステロール・LDLコレステロール、および両者の比が改善することが確認されました。
この結果は納豆キナーゼに高コレステロール血症に対する予防効果があることを示唆しています。
さらに納豆=大豆にはイソフラボンが多く含まれていますので悪玉コレステロールを下げる働きが、レシチンは中性脂肪を下げる働きがあります。サポニンには血液をサラサラにする効果があり、相乗効果が期待できるのです。
血栓予防に効果的な納豆の食べ方
昔からの健康食「納豆」と今頃の健康食「ヨーグルト」でもお伝えしましたが、納豆には効果的な食べ方があります。
夕食で食べる場合
納豆は朝食に食べるイメージですが、実は夕食に食べる方が、血栓予防に効果的と言われています。
血栓は深夜から早朝にかけて出来やすくなるため、夕食で納豆を摂っておいた方が予防につながります。
夜は納豆をつかったおかずや小鉢などを食べて、効果的に血栓予防をしましょう。
加熱しないで食べる
酵素「ナットウキナーゼ」は熱に弱いという特徴があるため加熱するとその効果が薄れてしまいます。
納豆は加熱せずに食べるとより効果的に栄養を摂ることができます。
ごはんに乗せる納豆も、最初から乗せずに別の皿に盛り付けたり、海苔に巻いて食べることをお勧めします。。
納豆おすすめ簡単レシピ「小松菜ののり納豆あえ」
小松菜と納豆を使ったこんなアレンジレシピになります。
いつもの青菜のあえ物に納豆とのりを加えるだけの簡単レシピです。
栄養たっぷりのあえ物レシピです♪

材料(4人分)
小松菜・・小1束(200g)
納豆・・1パック
しょうゆ・・小さじ2
練りがらし(好みで)・・少々
もみのり・・適量

(2)納豆はよくかき混ぜ、しょうゆと練りがらしを加え、さらによく混ぜる。
(3)小松菜を加熱した時の空きコンテナに(1)と(2)を入れてよく混ぜ、もみのりを少しずつほぐしながら加え混ぜる。
まとめ
このように納豆キナーゼには血液サラサラ効果があります。
ではそれを効果的に摂取するにはどうすれば良いのでしょうか。
血栓溶解成分を得るには、ひとり分1パックの納豆で十分な量が得られます。
またその効果は6~12時間持続すると考えられますので、毎日1パックの納豆を食べるのを習慣にすると良いでしょう。
身体に良いからと言って、1日に何パックも消費する必要はありません。
また心筋梗塞の発作は朝起きることが多いので、血栓対策としては夕食に食べるのが良いとしています。
またエゴマ油などオメガ3不飽和脂肪酸を含む油を加えるなどの工夫も有効です。
そして、加熱調理によって有効成分が失われないようにすることも覚えておきましょう。